冷蔵庫の冷却方式を紹介｜ペルチェ方式やファン方式のメリット・デメリットも

冷蔵庫の冷却方式は、直冷式・ファン式（間冷式）・ペルチェ式に大別されます。しかし、それらの違いを把握している方は、多くないのではないでしょうか。冷却方式によって、価格・音の大きさ・お手入れのしやすさなど、メリット・デメリットがあります。

新生活の準備や冷蔵庫の買い替えの際、冷却方式による違いがわからず、どの冷却方式の冷蔵庫を選べばいいか迷ってしまうという方は少なくないはずです。そこで今回は、冷蔵庫の冷却方式について詳しく解説していきます。

直冷式・ファン式（間冷式）・ペルチェ式の特徴をはじめ、ペルチェ素子とはどのようなものかについても解説しています。ぜひ最後までご覧いただき、冷却方式の違いを把握して、ご家庭に合った冷却方式の冷蔵庫を選びましょう。

直冷式の冷蔵庫は、冷蔵室、冷凍室の内部にそれぞれ独立した冷却器が設置されていて、それら冷却器の冷気によって、冷蔵庫内を直接を冷やしていく方式になります。

まずメリットとして挙げられるのは冷却能力が高いことです。冷蔵庫内部に冷却器が設置されているため他の方式に比べて冷却能力が高くなっています。さらに、ファン式の送風と違い、自然の対流で冷やすため、直接食品に冷気が当たらないため食品の鮮度を保ちやすいという効果もあります。

電気代に関しても、冷却効率がいいため、他の方式より安めになることもメリットの一つになります。価格に関しては、直冷式は他の方式に比べて価格の安い商品が多いです。他の方式と比べてシンプルな方式ですので、全体的に価格が安めとなっているみたいです。

そのため、直冷式の冷蔵庫は霜取りの手間がかかっても、とにかく安く冷蔵庫を買いたい人におすすめの冷却方式となります。

直冷式冷蔵庫の最大のデメリットは、定期的に霜取りが必要なことです。自動で霜取りをする機能があるファン式と違い、直冷式では自分で霜取りをしなければなりません。霜はドアを開け閉めするたびに、空気中に含まれていた水分が冷却器に付着するために発生するものです。

もし霜取りしなかった場合、霜の塊がどんどん大きくなり冷蔵庫内のスペースが狭くなってしまいます。さらに、食材を入れられる量が減るばかりでなく、冷却能力も低下してしまいます。霜取りは手間のかかる作業ですが、そのような事態を防ぐために、必須のお手入れとなります。

ファン式の冷蔵庫は、現在主流の冷却方式となります。直冷式が冷蔵庫の内部に冷却器があるのに対して、ファン式の冷蔵庫は外部に冷却器が設置されています。そこからファンで冷気を送風して間接的に冷やす方式となっています。

ファン式冷蔵庫の最大のメリットは、直冷式冷蔵庫では必須であった、霜取り作業が不要なことです。

ファン式冷蔵庫には自動霜取り機能が付いているため、霜がつかない設計となっております。そのため、直冷式では最大のデメリットであった、霜取り作業自体がありません。霜取り作業はとても手間のかかる作業ですので、とてもありがたい機能ですね。

他にも、ファンで冷気を冷蔵庫内全体に送風するため、ムラなく全体的に冷却ができるというメリットもあります。ファン式は値段やサイズよりも、とにかくお手入れの手間を省きたい人におすすめの冷却方式になります。

ファン式冷蔵庫のデメリットの一つに、小さいサイズの冷蔵庫がない点があげられます。理由の一つとして、ファンを設置する設計上の理由から冷蔵庫のサイズが大きくなりがちだということがあります。そのため、設置スペースの関係などで小型の冷蔵庫が欲しい人には向かない冷却方式になります。

さらに、安く冷蔵庫を買いたいという人にも向かない冷却方式となります。なぜなら、大きめのサイズしかないため、結果的に値段が高めになってしまうからです。そのため、安く冷蔵庫を買いたい人は直冷式の冷蔵庫の購入を検討するといいでしょう。

ペルチェ式の冷蔵庫は、物質の吸熱現象を応用した冷却方式になります。直冷式やファン式に比べると、あまり普及していない冷却方式にはなりますが、最近は性能の進化により少しずつシェアを伸ばしている冷却方式になります。

ペルチェ式冷蔵庫の最大のメリットは、音が静かなことです。他の方式に比べて、静音性がとても優れていますので、寝室などでも使用することができる冷却方式になります。お手入れに関しても、ファン式と同じく霜取りが不要のため、お手入れに手間をかけたくない人にものおすすめです。

ペルチェ式はコンパクトで軽量な設計が可能な冷却方式のため、小型冷蔵庫のラインナップが豊富にあり、中にはデザイン性を重視した、おしゃれな冷蔵庫も多くあります。ペルチェ式は、騒音に敏感な人や、寝室など静かな部屋で使用したい人におすすめの冷却方式になります。

ペルチェ式冷蔵庫のデメリットは、価格が高いことが挙げられます。他の方式に比べて2倍以上の価格差がある場合もあります。そのため、安い冷蔵庫を求める人には向かない冷却方式となります。

さらに、ペルチェ式の冷蔵庫は、物質の吸熱現象を応用した冷却方式のため、他の方式と比べて冷却機能が低く、庫内温度を5度までしか下げられません。そのため、ペルチェ式の冷蔵庫には冷凍室がありませんので、冷蔵庫のみ使用する人にしかおすすめできない冷却方式です。

直冷式とファン式の違いの見分け方は、難しいのでは？と考える方もいると思いますが、実は冷蔵庫内の奥の壁をチェックするだけで簡単に見分けられる方法があります。奥の壁にファンが付いていればファン式、ファンが付いていなければ直冷式です。

ファンの有無で見分けるほか、冷蔵庫の大きさでも区別できます。大型冷蔵庫は一般的にファン式が多く、1ドア冷蔵庫のような小さな冷蔵庫は直冷式がほとんどです。もし、見分けがつかなかったとしても、取扱説明書などに表記されているので心配ありません。

そもそも、ペルチェ素子とは何か？というと、ペルチェ効果を用いて冷却・加熱を可能とする電子部品のひとつです。ペルチェ効果とは、異なる金属を接合して電流を流すと、接合面で熱の吸収・放出が起こる現象を指します。

ペルチェ素子は、回路がシンプルで容易に制御でき、軽量かつコンパクトで、小型冷蔵庫の冷却装置に向いています。一方、冷却効率が悪いため、大型冷蔵庫などの大規模な冷却には向かないデメリットがあります。

以上のように、冷却方式により、いろいろなメリット、デメリットがあります。冷蔵庫は毎日使う重要な家電ですので、ご自分が使う環境や重視するポイントをしっかりとチェックしてから購入してくださいね。