冷蔵庫の製氷機の掃除方法を解説！美味しい氷を作るために欠かせない！

水をタンクに入れてセットするだけで自動で氷を作ってくれる、冷蔵庫の自動製氷機能。多くの冷蔵庫に搭載されており、日常的に使っているという人も多いでしょう。しかし、製氷機の定期的なお手入れはしていますか？

氷が作られる場所は温度が低いからカビや雑菌の心配はないと思われがちですが、実は温度が低くても繁殖が抑えられているだけで、完全に死滅するわけではありません。しかも、給水タンクのある冷蔵室の温度はカビが繁殖可能な温度なのです。

製氷機を掃除せずに作られた氷には、カビや雑菌が混じってしまう恐れがあります。そんな氷をドリンクに入れて飲むのは嫌ですよね。この記事では、冷蔵庫の製氷機の掃除方法について詳しく解説していきますので、参考にしながらぜひお手入れしてください。

製氷機の掃除についてご紹介する前に、製氷機の仕組みについて解説します。冷蔵室の中にある給水タンクに水を入れると、給水ポンプがタンク内の水を吸い上げ、給水パイプを通って、製氷室にある製氷皿へと送ります。

製氷皿の水が凍ると、製氷皿の下にある検知レバーというレバーが貯氷ケース内の氷の有無を調べます。レバーが氷に当たると、ケース内は満杯とみなし、氷は落ちません。レバーに氷が当たらなかった時は、製氷皿が回転して氷を貯氷ケースへと落とします。

各メーカーごとに細かな違いはありますが、これが自動製氷機の仕組みです。製氷機の掃除では、これらの水が通る場所、つまり給水経路を掃除していく必要があります。

給水タンクは常に水が入っているため、放置しているとカビやヌメリが発生しやすく、一番汚れやすい場所とも言えます。まずは給水タンクを分解します。分解できる箇所については説明書を確認してください。

基本的には水洗いでかまいませんが、汚れがついてしまっている場所は柔らかい布やスポンジで傷がつかないように優しく洗ってください。タワシなどでこすって傷がつかないように洗いましょう。

浄水フィルターも水洗いでOK。もし破れてしまったり、カビが生えてしまったりしていた場合には、フィルターの交換をしてください。

出来上がった氷を貯めておく貯氷ケースは、水の通り道ではありませんが、開閉の際にホコリやゴミが入ってしまいがちな場所ですので、定期的に掃除が必要な場所です。取り外しが可能ですので手前に引き上げて取り外し、中に入っている氷は取り出しておきましょう。

貯氷ケースも水洗いが基本です。汚れは柔らかい布などで拭き取ってください。貯氷ケースもタワシなど傷の付きやすいもので洗うのは厳禁。洗ったあとはしっかりと水気を拭き取って引き出しに戻しましょう。

製氷皿は、取り外して水洗いをします。傷が付くと氷を落とす際に製氷皿から離れにくくなってしまい、故障の原因となってしまいます。タワシなどを使ってゴシゴシ洗うのは避けましょう。水洗いしたあとはしっかりと水気を拭き取り、元の位置にセットします。その際、ロックレバーでロックすることを忘れないようにしましょう。

製氷皿は取り外せる機種と外せない機種があるため、取り外せない機種については掃除は不要です。このあと説明するお手入れモードがある場合は、製氷皿も水で洗うことができます。

搭載されている機種は限られますが、製氷機のお手入れモードなら、分解できない内部の水の通り道を洗浄することができます。お手入れモードを実行する前には、貯氷ケースの氷を取り出し、タオルなどをひいておきます。

タンクに水を入れお手入れモードを開始すると、ポンプが水を吸い上げ、製氷皿から貯氷ケースに水が流れ落ちます。終わるまでは貯氷ケースを開けないようにしましょう。

製氷機の掃除をする時、台所洗剤とスポンジで洗ったりハイターで漂白したりしてしまいがちですが、実はメーカーは推奨していません。製氷皿など傷が付くと故障の可能性があるのと、万が一洗剤が残留してしまうと氷に混じってしまう恐れがあるためです。

特に浄水フィルターは浄水効果が減少してしまう恐れがあるため、洗剤で洗うのはやめましょう。

上記で紹介した方法の他に、洗剤を使って製氷機の掃除をする方法もあります。水洗いだけでは少し不安という人は、ぜひ試してみてください。

洗剤を使って掃除をする前に、貯氷ケースの中身を空にしておきましょう。掃除には時間がかかりますが使い方は簡単で、洗剤の説明書の通りに洗剤と水を混ぜ、給水タンクに入れます。あとは氷ができるのを待つだけです。

出来上がった氷は着色料によって色がついています。この氷は食べずに捨ててください。タンクから洗剤がなくなったら再び水を入れ、製氷します。氷に色がつかなくなれば、掃除終了です。自動製氷機専用の洗剤は、ドラッグストアやホームセンターなどのほか、100均でも手軽に購入することができます。

自動製氷機の洗剤の材料はクエン酸なので、自宅にあるクエン酸でも掃除ができます。念のためクエン酸は食用を使用すると安心です。水300ccにクエン酸10gをよく溶かし、食用の着色料を少し混ぜてください。着色料はなくても掃除の効果は変わりませんが、掃除に使った氷だと一目見てわかるように、混ぜることをおすすめします。

あとは洗剤と同じように、クエン酸を混ぜた水がなくなったら水を入れ、色のついた氷が出なくなったら掃除終了です。クエン酸の氷は捨てるのがもったいない気がしますが、排水管に流せば雑菌繁殖の予防効果が期待できます。

製氷機のカビを掃除する方法を見ていきます。

【準備するもの】

• 食器用洗剤などの中性洗剤
• 塩素系漂白剤
• 柔らかめのスポンジ
• 乾いたふき取り用クロス
• バケツ

【掃除方法】

1. 製氷機の電源を切り、給水タンク・製氷皿・貯氷タンクなどを取り出し、分解できるパーツはすべて外す
2. 取り外したパーツを中性洗剤をつけたスポンジで洗う
3. バケツに水5Lを入れ、塩素系洗剤をキャップ1～2杯入れる
4. 外したパーツをつけ置きする
5. パーツが乾いたら元の場所に戻す　
   
   

製氷を再開する場合は、きれいな水を給水タンクに入れて製氷スイッチをオンしてください。

出来上がった氷に白い浮遊物が混じっていると、掃除をしたのに汚れが完全に取れなかったのかと思ってしまいますが、実はこれは水の中のミネラル成分が固まったもので、汚れではありません。

硬度の高い水を使うとできやすくなっています。異常ではないのでそのまま使って大丈夫ですが、気になる場合は硬度の低い水を使ってください。

日立の冷蔵庫には「製氷おそうじ」というお手入れモードが搭載されているため、ボタンを押せば内部の給水部分のお手入れが楽にできます。製氷皿は現行機種の中では容量の大きい機種だけが取り外し可能で、ほとんどの機種は取り外しできません。

三菱の冷蔵庫は、給水パイプなどの給水経路をすべて取り外して洗えるのが一番の特徴です。製氷皿も取り外しできるため、すべて水洗いしたい人におすすめです。「まるごとクリーン清氷」がない機種は丸洗いできませんが、その代わり製氷皿おそうじモードが搭載されています。

パナソニックの冷蔵庫は給水タンクの他に、製氷皿が取り外して洗うことができます。給水パイプなどの給水経路は取り外しできませんので、掃除したい場合には、上でご紹介した自動製氷機の洗剤を使う方法で掃除するといいでしょう。内部より製氷機を掃除したい人におすすめのメーカーです。

シャープの冷蔵庫は、給水経路と製氷皿を取り外して洗うことはできませんが、「製氷皿清掃」ボタンを押すだけで、給水経路を製氷皿を簡単に掃除することができます。ボタンを押せば内部のお手入れが完了するので、なるべく手間を減らしたい人におすすめです。

製氷機のお手入れの目安は、どのメーカーでも給水タンクとフィルターは週に1回のお手入れを推奨しています。給水パイプが洗える機種は月1回、その他の製氷皿や貯氷ケースなどは年に1〜2回が目安となっています。

定期的な掃除の他にも、製氷停止する前と、製氷停止していた後に再び製氷する時にも、掃除をする必要があります。

少しでも掃除を楽にしたいのなら、水道水を使って製氷することをおすすめします。水道水は塩素消毒されており、雑菌が繁殖しにくくなっているためです。その他のミネラルウォーター・井戸水・煮沸消毒した水を使う場合、雑菌が繁殖しやすいため、メーカー側も通常よりこまめなお手入れを推奨しています。

冬の時期や、そもそも氷をあまり使わない人は、製氷機能を停止したほうが掃除の手間は省けます。少ししか使わないのに、週に1度タンクの掃除をするのは面倒ですよね。そんな時は、一度製氷機の掃除をしてから製氷機能を停止し、氷が欲しい時は手動で作るか、買ってくる方が掃除をせずに済みます。

お手入れのしやすさの基準は人それぞれではありますが、すべてを取り外してきれいに洗いたい！という人は、すべてのパーツが分解洗浄できる三菱がおすすめです。取り外せるパーツは各メーカーや機種により違いがありますので、気になる人は事前に調べておきましょう。

逆にそこまで分解して洗うのは大変と感じる人は、ボタン一つでお手入れが完了するお手入れモードがある機種を選ぶと、手軽に製氷機の掃除が完了します。

冷蔵庫の製氷機の掃除の方法についてご紹介しました。きれいに掃除した製氷機で作る氷は、一段と美味しくなったように感じますよね。定期的な掃除を欠かさず、いつもきれいな氷で美味しいドリンクや料理を楽しんではいかがでしょうか。