冷蔵庫は分解しても大丈夫？解体は違法？｜引っ越しの搬入・搬出や解体費用も

使わなくなった冷蔵庫を処分するときに、パーツの分解を検討している方がいるかもしれません。冷蔵庫の解体処分は場合によっては違法になり、地球環境に影響を及ぼす危険性もあります。

冷蔵庫の分解が処分ではなく、引っ越しの搬入のためだったとした場合は自力での解体も可能ですが、複雑な手順なのでなかなか難しいです。この記事では「処分を目的とした分解」「搬入・搬出を目的とした分解」「掃除を目的とした分解」の3つに分けてその危険性とやり方について説明します。

それぞれの場合で冷蔵庫の分解は許されるのか、そしてどうやって分解するのが正しいのかをしっかりチェックした上で、冷蔵庫の分解について検討してください。

冷蔵庫は、分解していいかどうかの前にまず「粗大ゴミ」として捨てるのを法律で禁じられています。日本では「家電リサイクル法」が定められており、以下の家電4品目を処分する際には、料金を支払いリサイクルする義務があります。

• 冷蔵庫・冷凍庫
• 洗濯機・乾燥機
• エアコン
• テレビ

冷蔵庫もリサイクル法に含まれている家電です。処分方法については地域・自治体によって異なる場合があるので必ず確認してください。むやみに分解せず処分するのが1番です。冷蔵庫の処分方法については以下の記事でより詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫は正しく回収してもらえば、その後業者が解体し、パーツ別で処分・リサイクルしてくれます。少しでもリサイクル代を浮かせたいと、冷蔵庫を分解して分別ゴミとして出したいと考える方もいるかもしれませんが、冷蔵庫内部に通る細い銅管を切らずに分解するのは至難の業です。そのため、冷蔵庫を自力で分解する必要はないのです。

また、冷蔵庫には、冷却の仕組みの過程で「フロン」を使用しているケースがあります。フロンは地球温暖化の温室効果ガスに当たるので、自力でむやみに冷蔵庫を分解してフロンが放出されると地球温暖化につながります。

ひとつの冷蔵庫を解体したフロンの量はわずかかもしれません。しかし、フロンは適切な回収を環境省が法律で定めているため、冷蔵庫は分解せず、正しく回収してもらいましょう。

まだ使えるけど冷蔵庫を買い替えたい時は、新しい冷蔵庫を購入する家電量販店や電気屋に下取り依頼をする方法があります。買い替えの場合でも古い冷蔵庫の処分にリサイクル費用と運搬料金がかかります。買取期間内であればこの方法で処分できるので、ご自身の冷蔵庫を確認してください。

費用は販売店により異なりますが、収集運搬費・リサイクル料込みで5千円~1万円ほどで古い冷蔵庫を回収してくれます。また、以前冷蔵庫を購入した販売店に回収のみの依頼もできます。詳しくは購入元の販売店に問い合わせてみましょう。

冷蔵庫を購入した店舗がわからなかったり、知人から譲り受けた冷蔵庫であったり、引っ越しで購入元が遠方になったりなど、引き取りを依頼するのが難しい場合は、まずお住いの市区町村の自治体への問い合わせをおすすめします。

冷蔵庫をリサイクルとして回収する回収所を設けている市区町村があるので、お住いの自治体のホームページや電話で確認しましょう。また、回収を行なっていない市区町村では、引き取りをしてくれる小売店や許可を受けた業者を紹介される場合もあります。

販売店以外で低コストに処分を済ませたい方におすすめです。法律で定められているため、リサイクル料は支払う必要がありますが、専門の解体業者だと運搬費用の価格設定が自由なため、よりコストがかからない業者に依頼できます。

しかし近年、悪質な解体業者が増えています。届け出せず違法に投棄する、無料で引き取ると言っていたのに高額の請求をしてくるなどさまざまです。信頼できる業者かどうかをしっかり確認してから依頼しましょう。

「少しでもお金になれば...」と考える方は、リサイクルショップやオークションを利用するのがおすすめです。古い型の冷蔵庫でもメーカーによって買い取ってくれる場合があります。小売店や自治体で処分する場合は高額な費用がかかりますが、リサイクルショップでの買い取りはほとんど費用がかかりません。

製造年が極端に古い場合や、本体の劣化が激しい場合は買い取りしてもらえない可能性もあるので、店舗への確認をおすすめします。店舗によっては持ち込みだけでなく、出張での査定や買い取りを行なっているため、手軽に処分できます。

また、ネットオークションは、買い手に再利用してもらうのが目的なので、リサイクル料がかかりません。しかし、個人間でのやり取りのため、コミュニケーション不足でトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。

一般的に、専門で回収を行なっている業者もあれば、運送業者が回収も請け負っている場合もあります。「近くに家電量販店がない」「自分で運び込むのは大変」といった方は、不用品回収業者への依頼を検討しましょう。

自宅まで来て回収してくれるので、時間や車がなくて運べない方にも便利です。近年は悪質な回収業者が増えているので、口コミや評判も参考に「一般廃棄物処理業」の資格を持つ業者に依頼するようにしてください。

冷蔵庫を購入する際には、あらかじめ搬入スペースを＋10cmほど確保したうえで分解しなくても入るのが前提です。しかし、購入した冷蔵庫がまだ新しいため使いたい方や、急な引っ越しで冷蔵庫を買い替えられない場合は分解して搬入する方法もあります。

方法としては、自分で分解するか、業者に依頼して解体するかのどちらかです。それぞれの注意点を解説するので、参考にしてください。

冷蔵庫は平均50~70kg（200~400L）あります。引き出しなどのパーツごとに分解すると、自宅が2階以上にあっても持ち運びしやすくなります。パーツがコンパクトかつ、運ぶ時軽くなるので便利ですが、自力での分解は解体方法が極めて難しいです。

特に、電子操作パネルが備え付けられている最新型の冷蔵庫の場合、ドアと本体は配線で繋がっています。むやみに外してしまうと故障の原因になるので、安易に自力で分解するのはやめましょう。一度解体して戻すのにも時間と労力がいるので、あまりおすすめはできません。

冷蔵庫の分解が不要になる、正しい冷蔵庫の搬入方法については以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

搬入・搬出するうえで確実な方法として、専門の引っ越し業者や搬入業者への依頼をおすすめします。運ぶ場所の階数や季節、地域によって異なりますが、引っ越し業者に依頼する場合、8千円~2万円ほどかかる場合が多いです。

専門業者に依頼すると、まれにドアのみ分解する場合があります。しかし、基本的に最新型の冷蔵庫を分解するのは不可能なため、大抵は冷蔵庫を吊り上げて窓から搬入します。搬入費はかかりますが、自力で分解したり搬入したりして大変な思いをするより依頼する方が確実です。

冷蔵庫の手入れは数ヶ月に一度行うといいとされています。以下の表では、冷蔵庫の必須掃除箇所の掃除のやり方をまとめました。冷蔵庫の種類によっては、アルコールを使用できない冷蔵庫もあるので気を付けましょう。

「自分で掃除してもニオイがなかなか取れない...」「忙しくて掃除する時間がない！」などお悩みの方には、専門業者に掃除してもらうのがおすすめです。専門業者に掃除を依頼すると、冷蔵庫の頑固な汚れや匂いを解消してくれます。

また、掃除の手間が省けるので空いた時間を有効活用できるのも嬉しいポイントです。特に長年使用していて汚れがかなり溜まっている方は、業者に依頼して完璧にきれいにしてもらったほうがいいかもしれません。

プレハブ冷蔵庫の解体費用は1坪あたり約2万～6万円ほどです。プレハブの材質や地域によっても異なりますが、そこまで大差はありません。プレハブ冷蔵庫の解体を考慮している方は、自分の地域の費用などをチェックしてみてください。

日常的に使っている冷蔵庫や冷凍庫が、急に壊れてしまったら困ります。冷蔵庫や冷凍庫が冷えないと感じたら、コンプレッサーなどの故障を疑う前に、冷蔵庫が冷えない7つの原因を参考にしてください。

• 電源が入っていない
• 冷気が循環していない
• 冷蔵庫内の温度が高い
• 冷蔵庫の放熱ができていない
• 冷蔵庫が新品
• 冷蔵庫が故障している
• 冷蔵庫の寿命がきている

庫内の冷気を効率よく循環させるためには、冷蔵庫を置き方や庫内の食物の入れ方にも工夫が必要です。また、冷蔵庫のどの部分が故障しているか特定が難しいため、冷蔵庫を修理する時は自分で行うのではなく業者やメーカーに問い合わせてください。

冷蔵庫が冷えないと感じたら、まずは以下の記事も参考にご覧ください。

今回は、冷蔵庫の処分方法や掃除方法について紹介しました。安易に分解してしまうと、冷蔵庫の故障のみならず、環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。手遅れになる前に適切な対処方法を見つけ、冷蔵庫を正しく扱いましょう。