冷蔵庫がガス漏れ・冷媒漏れしたら？｜ガス臭い・冷えない・故障の原因と確認方法

冷蔵庫から変な音がしてガス臭い・庫内が冷えない・ドアを開けると急激に温度が上るようになった、こんな経験ありませんか？これらの症状は冷蔵庫のガス漏れ・冷媒漏れなどにより故障の可能性があります。

冷蔵庫のガス漏れは、長年の使用による経年劣化だけでなく、配管の故障などさまざまな原因で起こります。ガス漏れした冷蔵庫は使い続けられないので、修理や買い替えが必要になります。

また、冷蔵庫のガスはイソブタン・フロンガスなどが使われており、可燃性・有毒性があり危険です。やっかいな冷蔵庫のガス漏れはなぜ起こるのか、この記事ではその原因と確認方法から、ガス漏れした時の正しい対処法まで紹介します。

冷蔵庫の冷媒に使われるガスは、イソブタン・フロンガス・代替フロンガスなどの種類があります。どのガスも直接人体に害を及ぼすものではありませんが、それぞれ危険性があるため注意が必要です。

イソブタンは可燃性があり、ガスが漏れている室内で火をつけると爆発します。さらに、フロンガス・代替フロンガスは燃えると有毒・有害なガス「ホスゲン」を発生させます。そのため、ガス漏れに気づいたら電源プラグを抜いて、すぐに換気扇を止めて窓を開け、コンロなどの火を消してください。ガス漏れはコンセントを抜いても止まりません。

人により頭痛を起こす可能性もあるので気をつけましょう。落ち着いたら、冷蔵庫内の食品を保存箱などに移動するのも忘れずに行ってください。ノンフロンの冷蔵庫の場合でも、同じように窓を開けるなどの対処が必要ですが、ノンフロンガスは空気より重く床上に対流するのでほうき等を利用して窓側へ空気を掃き出してください。

「食材を入れてから冷えるまで時間がかかるようになった」、冷蔵庫を使用していてこういった冷えない症状が出たら、ガス漏れの可能性があります。そんなときは、庫内温度の表示部分にエラーコードが表示されていないか確認しましょう。

温度表示のない機種もありますが、Panasonicの冷蔵庫であれば「ー」、SANYOは「A1」の表示が出ていると、庫内温度が高い状態が長く続いているのを表しています。一時的ではなくこのような場合は、ガス漏れ・冷媒漏れの可能性もありますので、必ず確認してください。

冷蔵庫のガス漏れで必ず現れる症状は、「シュー」といったガス漏れ音です。これは冷蔵庫の側面に耳を当てるとよくわかります。冷蔵庫がよく冷えないなどの異変に気づいたら、一度この方法で音を聞いてみましょう。

ガス臭いときはガス漏れしている可能性があります。またエーテル臭と呼ばれる不快ではなくとも嗅ぎなれない香りがしている場合も、ガス漏れの疑いがあります。なお古い冷蔵庫では無臭の場合もあるので、ご注意ください。

冷蔵庫のガス漏れの原因で最も多いのは、冷蔵庫の寿命です。冷蔵庫は気体である冷媒をコンプレッサーで圧縮して液体にし、液体になった冷媒を配管内に循環させると庫内の熱を奪い冷却します。

冷蔵庫の心臓部であるコンプレッサーは最も消耗しやすいパーツで、長年使用した冷蔵庫のコンプレッサーは疲弊しており、ガス漏れが起こりやすく危険です。冷蔵庫の寿命は10年前後が標準であると覚えておきましょう。

冷蔵庫の寿命については、以下の記事でも詳しく解説しています。

冷蔵庫をぶつけるとその衝撃で冷媒の配管が破損する恐れがあり、破損した配管はガス漏れの原因になります。とりわけ、引っ越しや模様替えで冷蔵庫を移動させる際に起こりやすく注意が必要です。

衝撃による配管の破損は、特に1人でも持ち運びやすい小型冷蔵庫で頻発しています。この事故を防ぐには、冷蔵庫の移動は必ず複数人で行うようにしてください。冷蔵庫は修理も買い替えも高くつきますので、大切に扱いましょう。

冷蔵庫の霜取りをする際に、鋭利な霜取り道具で配管を破損してしまう恐れもあります。この事故は、冷蔵庫内に霜がつきにくくなるよう工夫すると防げます。方法は以下の通りです。

• 冷蔵庫のドアを早く閉めるよう習慣付ける
• 食品を詰め込みすぎない
• 霜取り作業は冷蔵庫の中身を出してしばらく置き、霜が溶けてから行う

霜が付いてしまった場合は迅速に取り除く必要がありますが、配管を傷つけずに霜取り作業をする自信がない、霜取りに時間を取れない方は、「間冷式」の冷蔵庫を選ぶのもおすすめです。間冷式の冷蔵庫はサイズが大きく高額ですが、庫内に霜が発生しません。

冷蔵庫がガス漏れしたら、修理か買い替えが必要になります。どちらが安いかはケースバイケースですので、解説を参考にしてください。

家電は、メーカーが無償で修理に対応する保証を設けており、その保証期間は1年が一般的です。冷蔵庫のガス漏れが判明したら保証書を確認し、保証期間内かどうかを確認してください。

冷却パーツに関しては保証期間が長い場合もあるので、保証書の内容をよく確認しましょう。また、多くの家電量販店では保証期間延長サービスを提供しています。有料ではありますが、冷蔵庫の場合は最長10年保証される場合もあるので見逃せません。

ガス漏れした冷蔵庫は、寿命を迎えている場合がほとんどです。購入してから何年も経った冷蔵庫は、修理したくてもメーカーが部品を持っていない場合があります。その際は買い替えるしかありません。

修理が可能であったとしても、保証期間を過ぎていたら有料になります。冷蔵庫の修理代は故障の程度とメーカーやサイズによって差がありますが、概ね39,000円～80,000円の費用がかかると覚えておいてください。また、修理にはそれなりに時間もかかります。

今使っている冷蔵庫はいつ買ったものか確認し、購入から10年以上経過しているなら積極的に買い替えを検討しましょう。買い替えにおすすめの冷蔵庫は、以下の記事で紹介しています。

東芝は冷蔵庫の故障に対して出張修理対応を行っています。冷蔵庫・冷凍庫が冷えないなどのトラブルや水漏れ、自動製氷されないなど主だった故障に対応しています。値段は10000～20000円で収まるのがほとんどですが故障箇所によっては100000円近くします。

冷蔵庫のガス漏れは危険があるだけでなく、修理か買い替えのサインともいえます。冷蔵庫を長く使うためにも、日頃から冷蔵庫は大切に扱いましょう。もしもガス漏れを起こしてしまったときはこの記事を参考にして、お得に修理や買い替えができるよう情報収集しましょう。