冷蔵庫・冷凍庫の開けっ放しはどうなる？｜電気代は？半日半開きで壊れる？

「冷蔵庫を半開きで閉め忘れたまま外出してしまった」という経験がある方もいますよね。冷蔵庫のアラーム音にすぐに気付ければいいですが、そのまま外出してしまって家に戻るまで半開きに気が付かなければ大変な事態になります。

また、多くの皆さんは冷蔵庫を開けっ放しにする最大の悪影響が「電気代がかかる」だとお考えではありませんか？実は電気代はそれほどかかりません。しかし、水滴で庫内が水浸しになったり、冷蔵庫が壊れたり、腐った食材を食べて食中毒になったりなどの悪影響が多く存在します。

今回の記事では、冷蔵庫を開けっ放しにすると壊れるかや、かかる電気代についてまとめました。冷蔵庫を開けっ放しにしてしまったときの適切な対処法や開けっ放し防止の便利グッズ、10時間以上半開きの場合はどうなるかなども紹介するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

冷蔵庫を開けっ放しにしてはいけない一番の原因は「電気代」だと思っている方が多いかもしれませんが、実際は異なります。冷蔵庫を開けっ放しにすると電気代がどのくらい上がるのか実際に見てみましょう。

それでは実際に計算してみましょう。冷蔵庫の電力使用量は一時間で150wから600ｗとなっていて、最大でも600ｗまでの消費電力しかかかりません。そのため開放された冷蔵庫の消費電力を600wと考え、電気代を計算してみます。

契約している電気会社によって変わりますが、平均的な電気代は27円/kWhです。そうすると、1時間でかかる電気代は「600w✕27円÷1000」で、たったの16.2円であるのがわかります。

1時間で16.2円なので、30分なら8.1円、2時間なら32.4円、4時間なら64.8円、5時間なら81円、10時間で162円、一日放置したところで388.8円ほどで、想像よりははるかに小さく、経済的な負担にはなりません。冷蔵庫の電気代について気になる方は、以下の記事もご覧ください。

一日中冷蔵庫を開けっ放しにした際の電気代を計算してきましたが、実は現在の冷蔵庫のほとんどの機種は、開放時に冷却機能が止まる機能「コンプレッサー」が搭載されています。そのため、実際は先ほどの数字よりもかかる電気代ははるかに小さいです。

1つ目の悪影響は食材が悪くなる点です。特にお肉や魚などのなまものは2時間常温で放置すると、美味しくなくなりそれ以上放置すると腐ります。そのため、一日放置すれば庫内のほとんどの食材がダメになってしまい、家計もかなり圧迫されるので気をつけてください。

半日半開きにしてしまったときは、バターなど調味料は大丈夫ですが食材によっては腐っているものがあるので注意しましょう。また、発酵食品を保存していた場合、発酵が進み臭いがきつくなる場合があります。もし臭いが冷蔵庫に付着してしまった際は、こちらの記事を参考にしてください。

2つ目は庫内が水浸しになったり、水滴がついたりする点です。外気が結露し庫内で液体になって水が発生します。野菜は水につけておくと酸化し悪くなってしまうものがあるので、食材にダメージを与える可能性があることを覚えておきましょう。

また、庫内が浸水すると冷蔵庫本体の故障に繋がってしまう可能性もあるので、十分に注意してください。

最後に冷蔵庫を開けっ放しにすると、冷蔵庫を冷やす役割を担うコンプレッサーが故障する可能性があります。霜の付着による一時停止とは違い、完全に壊れてしまうので修理に出さなければなりません。

コンプレッサーの故障は、庫内が冷たくならないにもかかわらず、フルパワーで稼働し続けるため起こります。そのため、扉が開いている間コンプレッサーが止まる機種の冷蔵庫では、この現象は起こりません。少しでも不安を解消したい方は、このような機能を搭載した機種を選ぶのがおすすめです。

冷蔵庫の閉め忘れに気づいて、あわてて冷蔵庫を閉めても冷蔵庫内が適切な温度に戻るまでには時間がかかります。庫内の温度が常温まで上がっていた場合、庫内が冷えるまでにかかる時間は約4時間です。暑い夏場であれば半日以上かかる可能性もあり、冬場なら3時間程度で戻る場合もあります。

万一、庫内温度が上がってしまった場合には、食材の傷みを防ぐためにも温度が回復するまでクーラーボックスなどを使用して食材を保管しましょう。また扉を閉めて数時間経過しても庫内が冷えない場合は、冷蔵庫が故障している可能性があります。その際は点検・修理に出しましょう。

※冷蔵庫を最適な温度に戻す前に、必ず食材の安全確認を行ってください

ここまで冷蔵庫の開けっ放しで発生するさまざまな問題・疑問をご紹介しました。ここでは、冷蔵庫を開けっ放しにしたときの対処法を解説します。

庫内が常温まで上がっていた、旅行などで2日間以上開けっ放しになっていた場合は、必ず以下の手順を行ってください。また、数時間の開けっ放しであっても食材の安全確認は必ず行いましょう。

冷蔵庫を開けっ放しにした時にまず最初に確認しなければならないのは、食品の状態確認です。基本的には食品の中でも肉と魚はすべて捨てるのが最適な選択肢であると言えます。2時間以上の放置が確認されていた場合は、確実に食べられない状態になると考えましょう。

野菜でも、葉物以外の要冷蔵野菜も同様に捨てたほうが賢明です。家族で暮らしている場合、大きな食品の廃棄になる場合も考えられますが、健康の安全を最優先するようにしましょう。

また、冷凍庫を開けっ放しにした場合も、すべて捨ててください。特に、半解凍されているような食材はすでに食べれなくなったと考えるのが無難です。

※夏場の場合は例外で、短い時間の放置でも食品が腐る可能性が高まります。食品の状態を確認して、少しでも変化が起きているようであれば処分してください。もったいなからと食べてしまうと食中毒になる危険性があります。

まず最初に床が濡れないように冷蔵庫の周りに新聞紙や布などを置いてください。この新聞紙がないと、霜を解凍する過程で扉から解凍された水滴が滴り落ち、ビショビショになってしまうため忘れないようにしましょう。

次に冷蔵庫の電源を切りましょう。霜が付着する部分は主にコンプレッサーの部分です。そして、扉が開いている間にもコンプレッサー部が働いてしまう冷蔵庫は電源を切らないと、コンプレッサーが停止せず霜が解凍されません。冷蔵庫の床周りの準備ができ次第、電源を切ってください。

冷蔵庫の電源が切れたら数時間待ちましょう。霜が付いた状態で稼働を続けたコンプレッサーはかなり冷たい状態です。そのため、コンプレッサーが冷えてから、霜が拭き取れるようになるまでには数時間かかります。

この際に冷蔵庫の扉が閉まっていると解凍に要する時間が更に長くなるので、冷蔵庫の扉を全開の状態でキープきるように固定しておくと効率がよくなりおすすめです。

冷蔵庫の開けっ放し防止策として、お金も手間もかからない今すぐできる方法がドアアラームの音量の変更です。ドアアラーム機能は、冷蔵庫を開けっ放しにした際に「ピー」などの警告音で開けっ放しを知らせてくれます。

ほとんどの冷蔵庫に搭載されている機能です。機種によっては、このアラーム音量を大きくできます。テレビの音や家族との会話で警告音を聞き逃す場合がある方は設定変更をしましょう。設定方法は機種によって異なるため、取扱説明書やメーカー公式サイトで確認してください。

最初におすすめの方法は、道具を使う方法です。冷蔵庫内の温度が上がった際に知らせてくれる商品や、ドアが閉まっていないのを知らせてくれる商品などが販売されています。自身にあった商品を選んでください。

冷蔵庫が開けっ放しになる主な原因の一つが、ゴムパッキンの汚れです。冷蔵庫の扉は通常磁石で本体部分とくっついています。しかし、このゴムパッキンが汚いと磁石が正常に作動しません。すると、扉を閉めた時の収まりが悪くなります。

このような状態に気づかずに半開きを放置する例も多いので、ゴムパッキンの掃除は欠かさないようにしましょう。パッキンの点検やお手入れについては、以下の記事で詳しく解説しています。

最後に閉め忘れを防止する機能がついている冷蔵庫を紹介します。現在、主にSHARPと三菱電機から閉め忘れをアシストする機能のついた商品が販売されているので、気になる方はチェックしましょう。

冷蔵庫の電気代を節約したい方に、おすすめの節約術をお伝えします。冷蔵庫は扉を数秒開けたままにしただけでも庫内温度が上昇するので、冷やすための電気が必要です。冷蔵庫内の整理整頓や食材の定位置を決め、食材を素早く取りだし開け閉めの回数も減らしましょう。

また冷気の循環がよくなるように、庫内に入れる食材は冷蔵庫容量の半分から7割程度に抑え、効率よく冷やすために冷気の出口は開けておきます。さらに季節にあった温度設定で、消費電力の節約が可能です。夏場は強、冬場は弱、春・秋は中への変更を検討しましょう。

【電気代節約のポイント】

• 扉を開け閉めする頻度を減らす
• 冷蔵庫に食材を詰めすぎない
• 季節に合わせて温度を設定する

今回は冷蔵庫を開けっ放しにした時に起きる弊害とその予防・対処方法について紹介してきました。冷蔵庫を開けっ放しにすると、後処理に時間や費用がかかってしまいます。冷蔵庫を閉める際は、確実に閉まったか確認する癖をつけるのがおすすめです。