冷蔵庫の氷ができない・落ちないときの対処法｜三菱・シャープ・パナソニックなど

多くの冷蔵庫には、水を入れるだけで氷が作れる自動製氷機能がついています。しかし、ある日突然冷蔵庫の氷ができないトラブルが起こるかもしれません。毎日使用する冷蔵庫だからこそ、故障してしまうととても困るものです。

氷が落ちない症状は冷蔵庫の設定や気温のほか、自動製氷からの水漏れなど故障以外にも多くの原因があり、それぞれ対処法も異なります。「故障かも…」と修理や買い替えを検討する前に、まずは落ち着いて原因を把握しましょう。

この記事では、冷蔵庫で氷ができない、また給水タンクが給水しない・水が落ちない・水が減らない原因と対処方法について解説します。また、東芝・三菱・シャープ・パナソニックなどのおすすめ冷蔵庫もあわせてご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてください。

製氷機で氷ができない原因を解説する前に、まずは自動製氷機の仕組みについて説明します。まず、冷蔵室にある給水タンクに水を入れると、給水ポンプで水を汲みあげます。そのあと、給水パイプを通って製氷皿へ水を落とし、凍らせる仕組みです。

検知レバーで貯氷ケースの中身が空いているのを確認したら、氷皿が回転し、貯氷ケースへ氷を落とします。各メーカーで細かな違いはありますが、基本的にこのような仕組みで氷が作られています。

まずは、冷蔵庫の扉や内部にある操作パネルで、製氷のランプがついているかをチェックしてください。設定の確認のやり方がわからない場合は、説明書を見て確認しましょう。

普段あまりいじらない設定ですが、しばらく製氷を止めていたりする場合によくある原因です。機種によっては、製氷機に関するエラーコードが表示されている場合もあります。

意外と多い原因が「製氷停止」の設定になっている場合です。上記のエラー表示などとあわせて、冷蔵庫のパネル表示が「製氷停止」の設定になっていないか確認しましょう。お使いの機種やメーカーによって設定方法は異なりますので、取扱説明書をご確認のうえ対処するようにしてください。

給水タンクに水が入っているか、しっかりと奥まで押し込まれているかを確認してください。奥までタンクがはまっていないと製氷皿に給水ができません。

また、製氷皿が割れていると水が漏れてしまい、氷ができない場合もあります。貯氷ケースに水が貯まっていたり、板状の氷ができたりしている場合は、製氷皿が割れていないかチェックしましょう。これらが原因だと給水タンクから製氷皿に水が落ちないので、氷はできません。

貯氷ケースの中身も確認しましょう。氷を作るときは、製氷皿から氷を落とす前に、製氷皿の下にある検知レバーで中身を確認します。レバーに物が当たると氷が落ちてこない仕組みです。奥に氷が溜まっているときは、手前の方に移動させると改善する場合があります。

当然ですが、氷以外にアイスなど他の食品が入っていたり、シャベルを奥側に置いたりしてしまうと、検知レバーに当たって氷が落ちてきません。貯氷ケースには氷以外のものを入れないようにしましょう。

庫内の温度も重要なポイントです。当然ですが、温度が高いと水は凍りにくくなります。設定が弱や節電モードになっている場合は、モードを強に変更してみましょう。また、食品の詰め込み過ぎやドアの開閉が多いのも、庫内の温度が上がってしまう原因になります。

基本的に製氷機は庫内が冷えてから動作します。冷蔵庫を設置したばかりだと十分に庫内が冷えていない可能性があります、そうなるとなかなか氷はできません。なお通電から庫内が冷えるまでは、大体4時間～1日と言われています。

そのため設置直後は、ドアを開けずに1日程度待って氷ができているか確認してみましょう。それでもうまくいかない場合は、温度設定を強に変更して様子をみてください。

夏は気温が高いので室温が上昇し、冷蔵庫内の温度も上がりやすくなるので、結果的に製氷時間が長くなる場合があります。また、節電モードになっている場合もありますので、特に夏場は解除しておくのをおすすめします。

給水タンクの水が減らない場合は、製氷皿が斜めになっている可能性があります。その場合も氷はできません。自動製氷機の動作確認ができる機種なら、給水タンクの水が減るかどうか確認の上、製氷皿の状態をチェックしてみましょう。

冷蔵庫で氷ができない場合の対処法は、三菱・シャープ・東芝・パナソニック・日立などメーカーにより若干異なる場合があります。各メーカーのウェブサイトで、氷ができない場合の対処方法が掲載されているので、以下のリンクもチェックしてみましょう。

お手入れモードが搭載されている冷蔵庫は限られていますが、搭載されている場合は故障していないか確認のため、お手入れモードを試してください。お手入れモードはボタンを押せばタンクから水を吸い上げ、給水経路の水洗いをする機能です。

お手入れモードが実行されれば、ポンプは故障していないです。試す際は、貯氷ケースの中に水が流れ落ちてしまうので、貯氷ケースの氷をすべて取り除き、タオルを敷いてから行うようにしましょう。

ご紹介した方法をすべて試しても氷ができなかった場合は、ポンプやモーターの故障が疑われます。修理箇所にもよりますが修理を依頼する場合、およそ10,000〜20,000円程度かかります。製氷皿が壊れたら、取り外し可能な機種であれば千円前後で購入できるので、自分で交換しましょう。

自動製氷機能に不具合があっても、他の部分の冷却機能は問題なく使えます。自動製氷を重視しない・手動で氷を作ってもいい方は、修理せずに次の買い替えまで待つのも選択の1つです。

自動製氷機の修理相場は1～2万円と説明しましたが、メーカーによって細かな料金は異なります。各メーカーの修理料金は以下の公式リンクから確認してください。出張料金もあわせて確認しておきましょう。

製氷機を正しく稼働させるために日頃からできる対策は以下の3つです。

• 冷蔵庫に物を詰め込み過ぎない
• ドアを開けっぱなしにせず、開閉する回数を減らす
• 定期的にメンテナンスを行う

冷蔵庫の詰め込みすぎは庫内が冷えない原因になります。庫内がいっぱいになると冷却するためのエネルギーが消費され、製氷機までパワーが回りません。扉の開け閉めも同じで、庫内の温度が上がってしまい氷ができにくくなります。

冷蔵庫のメンテナンスは定期的な清掃です。タンク・フィルター・貯氷ケース・製氷皿などこまめに掃除してください。基本は水洗いで汚れている場合は、クエン酸などを活用すると掃除がしやすいです。

タンクの水が給水タンク周辺や貯氷ケースに水漏れするときは、タンクや製氷皿が割れていないか確認しましょう。上記でも説明した通り、貯氷ケースに水漏れしている・板状の氷ができている場合は、製氷皿が割れてしまっている可能性が高いです。

タンク周辺が水漏れしている場合は、タンクが割れていないか・パッキンなどのパーツがしっかりセットされているかも確認してください。水漏れの原因や対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

氷が臭う原因は、食品からの臭い移りがほとんどです。長い間貯氷ケースに入れっぱなしにしておくと臭いが付きやすくなります。

臭いが移ってしまった氷は捨てて、新しく作り直しましょう。また、ミネラルウォーターなどの塩素消毒されていない水を使用すると、臭くなりやすいです。気になるのであれば、水道水の使用をおすすめします。

氷に白い浮遊物が混じっているとゴミが混ざってしまったのかと思うかもしれませんが、これは水の中のミネラル成分が固まったもので、ゴミや異物ではありません。硬度が高い水はできやすいです。また、水の硬度はお住まいの地域によって差があるため、気になるようであれば硬度の低い水を購入しましょう。

基本的には水道水を推奨していますが、氷はミネラルウォーターでも作れます。ミネラルウォーターを使うと不純物が少なく、きれいな氷が作れます。

しかし、塩素消毒されていない水は雑菌に弱く、カビやヌメリの原因にもなってしまうので、ミネラルウォーターを使う際は、こまめなお手入れを心がけましょう。

自動製氷機能を使わないときはタンクのお手入れをして、設定を製氷停止にしましょう。タンクや内部に水が残ったままだと、カビやヌメリの原因になります。

また、製氷機能自体が不要な場合は、冷凍室として使用できます。冷凍室として使用したいときは、お手入れと製氷停止の設定をしたあと、レバー破損防止のため5時間程度物を入れないようにしましょう。

冷蔵庫の製氷機は定期的に掃除を行いましょう。定期的なお手入れをするとにおいやぬめりを抑え、清潔な氷を作れるようになります。洗うパーツは、製氷皿（アイストレー）・給水タンク・浄水フィルター・貯氷ケースの4つが挙げられます。

洗う際には、台所用洗剤やハイターの使用は避けましょう。特に浄水フィルターは浄水効果の低減につながるため、水道水での洗浄にとどめる必要があります。以下のリンクで各パーツのお手入れ方法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

他にも、自分でもできる対策がいくつかあるのでご紹介します。食材の詰め込み過ぎやドアの開閉頻度など、ちょっとしたことに気を付けるだけで製氷トラブルは防げるので、ぜひ実践してみてください。

冷蔵庫は、冷気を循環させて庫内の温度を下げる仕組みになっています。そのため、冷蔵庫に食材を詰め込み過ぎると、食材が冷気の循環を遮断して庫内の温度が下がりにくくなり、製氷皿の水が凍るのを妨げるケースがあります。冷蔵庫は、ゆとりをもって食材を入れるように心掛けましょう。

みなさんご存知の通り、水は0度にならないと凍りません。冷蔵庫のドアを頻繁に開け閉めしていると、庫内の温度が上がってしまいなかなか氷ができないケースがあります。温度が上がった庫内は、すぐには冷えてくれません。そのため、冷蔵庫のドアはなるべく開閉頻度を少なくするように心掛けましょう。

氷が突然作れなくなったときは、ぜひこちらの記事を参考にして原因を確認した上で適切に対処してください。自動製氷機能を使いこなして、おいしいドリンクを楽しみましょう。